End of Eternity
おすすめ度:★★★☆☆
End of Eternityをプレイした。10年位前に、厨二病の雰囲気が大好きだった友人(自身は違うと言っていた)がひたすら推していた記憶がある一本。中古屋で偶然見かけて何となく懐かしくなったので購入してみた。
いわゆるポストアポカリプスもので、荒廃した世界の真ん中に一本立っている塔が本作の舞台。上層、中間層、下層と階級が分かれており、上層に住んでいるカーディナルと呼ばれる貴族階級は信仰の対象ともなっている。
主人公一味はおそらく中間層で、公的な機関から出されるギャングの討伐依頼や、一般人からの素材の調達依頼等、色々な依頼をこなして生活している。
3人のありふれた日常の風景から始まり、ある一つの依頼から、一人のカーディナルの大きな野望に巻き込まれていくことになる。
【戦闘システム】
本作における最もユニークでおもしろいのが戦闘システム。
まず戦闘は自分と敵のターン制になっており、自分のターンでは最初に自キャラの移動ルートを決定する。その移動ルートに沿って自動でキャラが動くので、その間にどこでジャンプをするか、どこで攻撃をするか、などをプレイヤーが操作していく。敵には弱点部位があるため、どこから攻撃を仕掛けるかは非常に重要。プレイヤーキャラは3人いるためそれぞれで上記の操作をするのが基本になるが、3人を同時に動かし次々と連撃を与えるといったプレイもできる。
今までに見たことがないシステムで始めは困惑するし、チュートリアルが十分とは言えない点はやや気になるが、理解し慣れてくると、とにかく楽しく気持ちよく撃ちまくれる。部位破壊やアイテムがじゃらじゃらと湧くエフェクトもかなり感触が良い。
つまりシミュレーション+アクションのような感じで、どう動いて、どの角度から撃って、こういう連撃を加えて...等の作戦を練ることが非常に大切。
ゆっくりと考えてから、そこからいざ動き始めてからのド派手な演出とスピード感の対比が素晴らしく、想像した通りに、ガンガン撃ちまくって、バンバン爆発させて、わらわらいた敵を一掃できた時は相当爽快!
一方、じっくり考えたのに走り出した途端に壁にぶつかってターン終了になることもあり、それはそれで笑える。
【ストーリー】
難解で自分は正直あまり理解できていないが、面白かった。
残念なのは、章の終わりごとにカーディナルたちの間で何やら怪しい動きがあるようなムービーが流れるが、次の章は必ずアジトの日常シーンから始まり、最初に来る依頼の内容もあまり変わり映えがしないので、自分たちがストーリーに関わってる感がほぼ無かったこと。
最終章で急に横入りしてボス倒しちゃったみたいなイメージがあった。
【ワールドマップ】
戦闘報酬などで手に入れたパズルのピースを使い探索範囲を広げていくシステムが採用されている。
塔の全体像の把握につながるし、アイテムも手に入るのでパズルを埋めていく価値はあるが、あまり世界観に合っているとは言えず、ここにゲーム性が必要だったのだろうか、と少し疑問。
またセーブができる場所も限られており、これもあまり良い効果をもたらしているとは思えない。
【音楽】
街やワールドマップの音楽は田中公平さんのオケ編、ステージ(戦闘)曲は桜庭統さんのロック。この対比はゲーム内の雰囲気ともマッチしていて良い。
本作には昼と夜の概念があるが、曲も変化があり良い。ワールドマップの曲は、昼間はラッパやストリングスのファンファーレで明るく、夜になるとホルンやトロンボーンの中音域主体で、リズムはなくストリングスの白玉がバックで落ち着いてる感じになる。
ステージ曲(戦闘曲)は、ステージごとにテーマメロディがあり統一性がある。階層を進んでいくごとに段々熱くなっていくが、激しいながらもキャッチーで印象に残る曲が多く、とても良い。
【今回の一曲】
毎回気になった、記憶に残った一曲をチョイスし簡単に紹介。今回は戦闘曲の一つである「DANGER DANGER」。
戦闘中ピンチに陥ると流れる曲。本作に置いてこの状態になるとほぼ全滅が確定なのだが、なんとか逃げきることができる時もある。なので必死に逃げるのだが、その必死さをひたすらに掻き立ててくるのがこの曲。
激しいリズムにうねうねと動くベースライン、はっきりしない調性やメロディなど不安定になる要素が盛りだくさん。さらにもっとピンチになるとテンポが早まり、さすがにもう助からない感じになる。ここまでヤバいと感じさせられる曲はなかなか無いな、と感じる。
■その他好きな曲
・アルボナ
重めのフィールにテナーの音色が渋い。
・クランクタウン夜
ソプラノサックスがメロディな珍しい一曲。
【総評】
慣れは必要だがかなり格好よくプレイできる戦闘システムが斬新かつ秀逸。シミュレーション好きには特におすすめしたい。
アンチャーテッドコレクション
おすすめ度:★★★★☆
「PLAYする映画」として有名なアンチャーテッドシリーズ。このコレクションタイトルはその始まりである1作目「エルドラドの秘宝」から、シリーズ完結作である4作目に続くストーリーを楽しめる3作目「砂漠に眠るアトランティス」までが収録されている。
【PLAYする映画】
冒頭に書いた通り、シリーズをプレイしたことがない人も、このキャッチフレーズを聞いたことがあるという人は多いかもしれない。
昨今のゲームはグラフィックのクオリティも上がり、まるで映画のようだと思わせる作品も少なくない。
ではこのシリーズが特別に「PLAYする映画」だといわれる所以はどこにあるのかというと、それはUIやゲームの進行などに見られる没入感にあると思われる。
またゲームは章で別れてはいるものの、章ごとのロード等は無い。これも没入感を深めている一要素となっている。
実際のプレイとしては、基本的にはシンプルなTPS。
トレジャーハンターであるネイトが、サリーをはじめとしたパートナーとともに、様々な悪の組織と対峙しながら財宝をめぐり、伝説や歴史の謎を解き明かしていくストーリー。
ジャングル、古代遺跡、船、飛行機など舞台が幅広く、銃撃戦から謎解きまで展開も豊富で、ロマンあふれる冒険を続けられる。
【ネイトとサリー】
本作における最も重要な点の一つだと感じる点は、主人公であるネイトと、そのサポートキャラであるサリーの関係性。この二人は第1作目からずっとパートナーとして冒険をしている。
二人の関係性は最初のうちは不明だが、3作目「砂漠に眠るアトランティス」にて明かされることになる。男の友情系が好きな人には必ずグッとくるポイントなので、ぜひ1作目からプレイして欲しい。
【今回の一曲】
毎回一曲チョイスして簡単に紹介。今回はシリーズ通してアンチャーテッドのテーマソングである、「Nate's Theme」。
トロンボーンの厚いハモにラッパ(ホルンもいる?)の奏でるこのテーマを聞くと、アンチャーテッド始まった!感がある。残念ながら上の試聴だとテーマが聴けないので個別に調べてぜひ聴いて欲しい。
王道のハリウッド映画感あふれるサウンドで、パーカッションの民族的なリズムも相まって非常に躍動感があってカッコイイ。リズムが無くなる中間部から後半にかけての展開も感動的。
【総評】
難易度はあまり高くないので、カジュアルに、思い描いた通りのアドベンチャーを楽しめる。
難易度に関しては調整することはできるが、難易度に比例して敵が固くなっていくのみで、あまり深みのある難易度調整とは言えない。
また1作目は特にB級映画感が顕著なのは気になる点。ストーリーとしてはもちろん1作目からプレイすることをお勧めするが、はじめのうちは少しむず痒い思いをするかもしれない。
さらに映画のようなプレイ感のために、逆にゲーム的なプレイ感が失われていると感じる点も少なからずある。例えばヘッドショットを決めた時の気持ちいい効果音などは存在しなかったり、目的地へのディレクションがわかりづらかったりする。
気になる点はあれど、音楽、映像、演出など非常に豪華で、サリーとネイトの友情も熱く、特に3作目は舞台も幅広くストーリーも深く、期待通りの経験が得られることは間違いない。